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【書評 vol.100】『弁論術』をわかりやすく要約【どんな場合でも説得できるスキル】


Hatena

ども!

ライフコーチ 兼 ド底辺サラリーマンのけんいちです!

 

2000年以上も前に書かれ、「説得、弁論、スピーチのスキルを身につけるのにはこの本さえ読んでおけば充分だ」と未だに言われている哲学者アリストテレスの超・名著『弁論術』の紹介です。

 

弁論術ってどんなことが書かれているの?

弁論術の何がすごいの?

どんな学びがあるの?

 

 

上記のことを解説していきます。

サクッと概要だけご紹介しますので気になったら手に取ってみてください(^^♪

 

 

 

 

こんな人に読んで欲しい!

・話すことが仕事の人

・人を説得する場面がある人

・説得するスキルを身につけたい人

 

この本の要点と僕が伝えたいこと

アリストテレスの師匠のプラトンは『弁論術』は経験でしか上達しないと言っていたが、アリストテレスは「『弁論術』は技術であり、訓練で向上させることができる」と説いている。

弁論術とは、「どんな問題でもそれぞれの可能な説得の方法は見つけ出せる」ということ。

弁論術は①話し手の人柄②聴き手の感情③話す内容の論理性の3つで成り立っている。

本書は3巻から成り、1巻は弁論術にはどんな種類があるかということが書かれ、2巻は説得するのに重要な材料が細かく書かれており、3巻は弁論術そのもののスキルについて書かれている。これらが1冊に凝縮された500ページ越え(うち100ページは訳注)の大作。

アリストテレスは『万学の祖』ともいわれていますが、この本は心理学にも通ずるところもあり、人類が一度は目を通すべき必読書と感じました!

 

 

説得スキルの弁論術ってどんなこと?

スピーチ,マイク


『弁論術』とは、ひとことで言うと『相手を説得する技術』のことです。

 

どんな問題でもそれぞれについて可能な説得の方法は見つけだせるとアリストテレスは言います。

 

そんななか、相手を説得するためには以下の3つの要素が必要だと書かれています。

 

 

①話し手の人柄

②聴き手の感情

③話す内容の論理性

 

順番に見ていきましょう。

 

 

説得するのに大切な3つの要素

人柄

①話し手の人柄

 

話し手の人柄が大切だとアリストテレスは言います。

自分が話す立場であれば、自分が信頼されているか、好感度は高いのかというのが大切になってくるということです。

 

例えば、まったく知らない人から勧められて買うものより、

親友から勧められて買うもののほうが、買いやすく心理的ハードルは低いですよね。

 

論者自身が信頼される根拠となるものは三つある。

(中略)

それらは、思慮、徳(道徳的優秀性)、好意の三つである。(159p~160pより引用)

 

これら3つが揃っていると人は自然と信頼されるとアリストテレスは説いています。

 

自分の人徳がないのであれば、説得もうまくいかないということですね。

 

初対面の人に対してであれば、自分の言論の中で信頼を得られるような実績や表現、態度が大切になっていきますね。

 

 

②聴き手の感情

愛している時と憎んでいる時とでは、また、腹を立てている時と穏やかな時とでは、同じ一つのものが同じには見えず、全く別物に見えるか、或いは大きく異なったものに見えるかするものであるから。(159pより引用)

 

聴き手がどういう感情でいるかによって、自分が与える印象が変わるということです。

 

僕は心理学も勉強しているのですが、「人は自分の心の状態次第でものの見え方は変わる」というのはまさに、心理学的要素です。

 

アリストテレスは『万学の祖』と言われるゆえんですね。

心理学もアリストテレスが説いていたことをベースに生まれたと言われています。

 

ナチス党を率いていたヒトラーも、演説のときは、民衆が疲れて比較的何も考えることのない夕方の時間を選んでいたと言われています。

 

それだけ聴き手の感情や心の状況は、説得できるかどうかの結果に関わってくるということですね。

 

③話す内容の論理性

 

話す論理性については、「これでもかっ!」というほど非常に細かく分析され、書かれています。

 

いやーーさすがアリストテレス。

本当にすごいなと思いました。笑

 

家柄、貧富、運、年齢、性別、例えなどの比喩、話すリズム(韻を踏む)、句読点、接続語の正しい使い方、別の言葉での言い換え

などなど、話し方についてのことから話し手の状況まで分析して「何をどう使うべきか?」ということが説明されています。

 

本当にそこらへんのビジネス書買うよりはこの本一冊で、スピーチ力なんか身につけられると思います。

 

 

状況によって使い分ける

判断,裁判

また、説得する状況次第で、何が大切なのかが変わってきます。

 

どの弁論家も必ず手にしていなければいけないのは、どんな論点についての命題であるか、という点については述べた。(49pより引用)

 

何をテーマにするかによって、弁論術は次の3つに分かれます。

 

①議会弁論(未来のこと)

②法廷弁論(過去のこと)

③演説的弁論(現在のこと)

 

 ①議会弁論

これから起こる、もしくは起こそうとしている未来のことに対して、ジャッジしていくのが議会弁論。

まさに政治の議会がそうですね。

 

これからの行動を決めていくために皆で議論して、採決を取るのが政治の議会です。

議会弁論には「利害」が大切だと言います。

 

聴き手にとって、利益なるのか、損害になるのかによって説得できるかどうかが変わってきます。

 

 

②法廷弁論

法廷は実際に起きた事故や事件について判決を下すのがそうですね。

起きたこと=過去のことを説得することが法廷弁論です。

 

法廷弁論には「正か不正か」が大切だと言います。

 

法廷、裁判では、「正しいのか」「正しくないのか」という事実が重要ですよね。

 

罪に問われた人が、本当に罪を犯したのかという証拠が判決の根拠になります。

 

過去のことを論ずる場合は、正か不正かということを目的に語りましょう。

 

 

③演説的弁論

演説的弁論とは、まさに演説やスピーチのことで、未来のことや過去のことは関係なく、その場で何か説得する場合のこと。

 

演説的弁論には「美か醜か」ということが大切だと言います。

 

演説とかスピーチの場合は、何が正しいかとかではなく話す内容の素晴らしさ、美しさ、納得できるかどうか、称賛に値するのかということなどをもとに聴き手は判断します。

 

納得させられるような論理が大切なんですね!

 

 

弁論術は誰でも使えるスキル

アリストテレス

 

ざっくりおおまかな概要のみ書きました。

手前味噌ですが、本記事を読んで大枠を掴んでから『弁論術』を読むことをオススメします。

 

哲学書なので言い回しが難しかったり、難解な部分もあります。

大枠のフレームを理解しておくとスッキリ読めるかと思います。

僕も他のひとが要約している記事を読んで理解が深まりました。

 

 

本書を読んでこれが2000年以上も前に書かれていた本なんだという凄さを改めて感じました。

 

今回紹介した説得するのに大切な3つの要素と、説得するために必要な材料、論理的な組み立て方などすべて網羅されている本です。

僕もまた折を見て読み返そうと思いました。

 

説得スキル、スピーチ力などを身につけたい人にはオススメの名著です。

 

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

ではまた。

ざす。