ども!
ライフコーチのけんいちです!
『まだ見ぬ世界、自分に出会えるブログ』へようこそ。
このブログではライフコーチの観点から心が楽になる考え方をシェアしたり、大好きな本や映画の紹介をしたりしています。
このブログを通して知らなかったコトやモノに出会え、新たな世界が開けるかも?!
僕は読書が大好きで、年間100冊ほどビジネス書や歴史書中心に読んでいます。
そんな僕が定期的にブログにてオススメ本を紹介しております。
今回紹介する本はコチラ!
著者は飲茶さんという企業経営もしてるかたわら、哲学作家でもある方です。
この方の哲学の本はわかりやすい!
哲学というと難しい言葉で書かれているイメージがありますが、例えがとてもわかりやすく中学生でもわかるような書き方をしてくれています。
そんな飲茶さんの本書をご紹介していきます!
✔難しい言葉が苦手・・・簡単な言葉で読んでみたい
✔中学生や、中学生の子どもがいる
14歳からの哲学入門というタイトルは、「哲学とは、14歳くらいから考え始めることと似ている」という著者のメッセージがあります。
なので、中学生になった方も一度手に取ってみると面白いかも。
(約6分で読めます)
この本の要点と僕がつたえたいこと
本書は、近代哲学以降の哲学がまとめられている。古代、中世はキリスト教の普及もあり神の存在が信じられていた。ただ、なんでも物事の原因を神様にすることに疑問を持った人たちが、「もっと合理的に考えよう」と哲学が普及し、近代哲学が成り立った。
近代哲学は「合理主義」→「実存主義」→「構造主義」→「ポスト構造主義」という順で発展していった。哲学は、当時の主義主張を否定することで発展してきた。
これらそれぞれの哲学が流行った当時の代表的な哲学者をひとりひとり紹介してくれている。
こうした哲学の発展をわかりやすく紐解いてくれるので本書を読んで哲学を楽しもう!
哲学って何?わかりやすく表現すると
哲学って「難しそうな学問」ですよね。
でも、本当はとても身近なものなのです!
「哲学とは、『価値』について考えることである。今までにない新しい『価値』を生み出したり、既存の『価値』の正体を解き明かしたりすることである」(40pより引用)
「今ではこれって常識だけど、なんで?」
そんな疑問を持ち考えることが哲学なのです。
中世まではキリスト教の布教もあり、神の存在が信じられていました。
ただ、有名な哲学者ニーチェの言葉に「神は死んだ」というのがありますよね。
神様を信じて殺し合いをしたり、人を追い詰めたりするのは馬鹿らしい!と当時の常識であった信仰にニーチェは疑問を呈したのです。
このように哲学は、今ある常識や考え方に「それって違くね?」と否定して、さらに持論を発展させていくことで進歩していったのです。
近代哲学の流れをざっくり!
近代哲学の流れは以下の通りです。
合理主義→実存主義→構造主義→ポスト構造主義
漢字ばかりでわけわからんすよね。
でも、この本ではこれらを、ひじょーーにわかりやすく解説してくれているので安心です。
ひとつひとつどんなものかざっくり見ていきましょう。
合理主義
合理主義は、14世紀頃、ルネサンスが始まったころから流行りました。
合理的という言葉があるように、理にかなったもので判断していきましょうという考え方です。
「神様がこう言っているから」というのがもう信じられなくなった西洋人は、「自分たちの頭でしっかり考えて、合理的にいこうぜ」と考えるようになっていき、合理主義の哲学が流行ります。
有名なのはデカルト。
「我思うゆえに我あり」という有名な言葉があります。
「ちょっと何言っているかわかんないっす」 ってサンドウィッチマンの富澤さんに言われそうですが(笑)
「我思うゆえに我あり」というのは、
「世の中にあるすべての物は実在するのか、自分が作り出した幻想なのか証明させることなどできないが、『疑問を持って考えている自分』というものだけは確実に存在するんだ。」
といったような意味です。
これだけじゃわからないと思いますのでぜひ本書で(笑)
合理主義はこのように物事を合理的に考えることで広まっていきましたが、合理主義の中でもデカルトを批判してくる人が現れたり、様々な考え方がでてきます。
実存主義
実存というのは「現実存在」の略。
いままでの合理主義では「人間とはこういうものだ」とかモノの本質を考えるような哲学でした。
しかし、「頭でどうこう考えるのもいいけど、実際に存在しているモノそのものも大切にしなきゃいけないでしょ」と現実世界の物質や存在しているモノを大切にしていこうと始まったのが実存主義です。
実存主義の哲学者サルトルという方の考え方が実存主義をわかりやすく表現してくれています。
「石もリンゴも、家もテーブルも、およそ実在する現実のすべてのモノ(実存)は、本質に先だって存在する」(178pより引用)
目の前にあるモノは人間が本質をどうこう考える前にすでにそこにあるのだという考え方。非常にわかりやすいですね。
実存主義はこのように、なんでも本質でとらえようとした合理主義を否定して発展していきました。
構造主義
構造主義とは、人間の社会や世界にはあらかじめ目に見えない構造があるという考え方です。
人間がアレコレ本質を考える『合理主義』を否定し、実在するものを大切にし、そこから自分たちで考えていこう!といった『実存主義』。
「モノはただあるだけで、本質などないのだから、自分たちで考えていこう!自分たちで世界に意味付けしていこう!」という前向きな実存主義でしたが、それを構造主義が破壊しました。
「自分で自由に意味付けしたって、意味ないよ。世界は最初から構造、仕組み、法則性があるから、人はその上で生きているだけ。自分で決めたと思ったようなことも、最初から仕組みが存在していたんだよ」という考え方を持ったのが構造主義です。
世の中の仕組みや構造の中でも『言語』に注目したウィトゲンシュタインが有名です。
ウィトゲンシュタインは哲学を終わらせたともいわれています。
言語=思考と捉え、「言葉を分析して構造を見つければ、ヒトの思考も理解できる!」と考え、言語分析に力を注いだのがウィトゲンシュタイン。
「世界には構造がある」ってわかりづらいですが、言語って確かにそうですよね。
「日本語」「英語」「フランス語」「イタリア語」など使っている言葉そのものは違えど「言葉」というモノ自体は世界共通で人間が生み出しています。
何か共通の構造がありそうですよね。
そしてウィトゲンシュタインはどんな答えを見つけたのでしょうか。
本書にはその答えが書かれています。
ポスト構造主義
最後は、ポスト構造主義です。
ポストというのは「次の」という意味ですね。
なぜ今までは、「○○主義」と言っていたのにイキナリ「構造主義の次の主義」みたいな名前のない哲学が現れたんでしょうか。
実のところ、この「ポスト構造主義」と言う「内容のない」呼び方はとても正しい。なぜなら、構造主義以降、人類はブームとなるような「これ!」といった哲学(主義)を生み出せなかったからだ。(260pより引用)
著者はこのポスト構造主義以降はもう、「○○主義」という大きなムーブメントを起こせる哲学が現れないだろうと言います。
このポスト構造主義の考え方は以下の通り。
人間は好む好まないにかかわらず、なんらかの社会や価値観、道徳のシステムのなかで過ごしていて、そこから出ることはできないのだから、うだうだ考えても意味がない。
筆者は「哲学は死んだ」という表現を使っていました(笑)
たしかにこんな乱暴な考え方に行きついてしまったのであれば、哲学は死んでしまっていますね。
「合理主義も実存主義も構造主義も、いろいろ考えたって社会の枠組みの中でしか生きられないから、本当のことなんてわかんないよ。考えてもムダ」と言っているようなもんです。
以上が、近代哲学の流れでした。
これからの哲学とは?
この本には帯に「200年先の未来を考えるための教科書」と書かれています。
この本は、今までの哲学の歴史を知り、ポスト構造主義で終焉を迎えてしまった哲学を知ることで、「じゃあ私たちはどうしたらいいの?」という疑問を感じさせてくれる、とても良い本、まさに教科書だなと思いました。
この本には筆者は筆者なりのこの先の哲学、考え方が述べられています。
それがもちろんすべてではありません。
人それぞれ、答えがあってもいいと思うんです。
資本主義社会で働く私たちは、どのように生きていけばいいのか。
どのように生きたいのか。
自分は何のために生まれてきたのか。
ぐるぐるぐるぐる考えて、自分なりの哲学を見つけて、これから生きていきたいですね!
本当に読みやすく、そして考えさせられる本でした!
✔その時に当たり前だった哲学の主義に対して疑問を持ち、反論することで次の哲学が生まれて発展した。
✔今生きている私達も日常に疑問を持ち生きよう
飲茶さんは他の本もオススメなのでまた紹介します(^^♪
飲茶さんの本以外でも、古代哲学を知るのには、以下の本もオススメですのでもしよかったらぜひ。
【書評・要約】生きやすくなるための指南書『ストア派哲学入門 成功者が魅了される思考術』 - まだ見ぬ世界と自分に出会えるブログ (kkenichi.com)
最後までお読みいただきありがとうございました!
ではまた。
ざす。