ども!
ライフコーチ 兼 ド底辺サラリーマンのけんいちです!
僕は読書が大好きで、年間100冊ほどビジネス書や歴史書中心に読んでいます。
そんな僕がオススメ本を紹介します。
今回ご紹介するのはコチラ!
紀元前5世紀に生きていたヘロドトスという歴史家の本、その名も『歴史』です。
世界で最古の歴史書と言われています。
そのまんまズバリな名前が付いている本なだけあって、世界中の歴史研究家の人にも重宝されているのが本書。
読めばわかりますが、めちゃくちゃ詳しく書かれているのです。
ヘロドトスは歴史の父と言われています。
『歴史』は9巻から成り、岩波文庫さんから上・中・下の3巻出されています。
上は最初の3巻、中は4~6巻、下は7~9巻という構成です。
本書は主に、ヘロドトスが生きている時代に起きていたペルシア戦争の内容を書いています。
ただ、面白いのは、戦争のことだけではなくて、その当時の民族習慣や食べ物まで詳細に書かれていること。
とある星座の起源や食人種のことについてなんかも触れられていて、知的好奇心旺盛な人ならワクワクするような内容でした。
本記事では、『歴史』の上巻の内容と見どころをまとめています。
西洋史が全く分からない人でもざっくりとしたあらすじ、流れを書いていますので、『歴史』を読む前に本記事を読んでもらえたら理解しやすくなるかと思います(^^♪
(約5分で読めます)
『歴史』はこんな人にオススメ!
・西洋の歴史が知りたい人
・小説や物語が好きな人
・知的好奇心の強い人
西洋のことについて詳しく知りたい人にはピッタリ。
ペルシア戦争に限らず、風土やその国々のことについても詳しく書かれています。
ヘロドトス自身、現在のトルコで生まれていますが、いろんな国を渡り歩いていて、その旅で知った風習や民族のことについても書いているので非常に興味深い。
その詳細さは読んでいる人をタイムスリップさせてくれます。
物語好きや知的好奇心が強い人にもピッタリですね。
この本の要点と僕が伝えたいこと
『歴史』は、紀元前499年から約50年に渡り繰り広げられたペルシア対ギリシアの戦いであるペルシア戦争について書かれた歴史書。その様子を事細かに記載し、当時の情勢や風土を知るためにとても重要な本と評価されている。
上巻では、ペルシア戦争に至るまでの原因と、他国であるエジプトについての風習や民族性について、また、アケメネス朝ペルシアの3代目の王ダレイオス1世が王位につくまでが書かれている。ギリシアとペルシアの戦争については、『歴史 中』以降になる。
戦争の描写はもちろんのこと、当時の風習や民族の特徴、食習慣など本当なら知ることのできない部分が知れることが本書の1番の見どころと思う。
ヘロドトスは何のために『歴史』を書いたのか?
ヘロドトスがなぜこの歴史を執筆したのか冒頭に理由が書かれています。
本書はハルカリナッソス出身のヘロドトスが、人間界の出来事が時の移ろうとともに忘れ去られ、ギリシア人や異邦人の果たした偉大な驚嘆すべき事蹟の数々ーとりわけて両者がいかなる原因から戦いを交えるに至ったのかの事情ーも、やがて世の人に知られなくなるのを恐れて、自ら研究調査したところを書き述べたものである。(9pより引用)
ペルシア戦争というのは結論、ギリシアが勝利しました。
そのギリシアの功績やその他、起こった出来事が風化して忘れ去られるのを恐れて、書き残そうとしたのがキッカケです。
今考えると普通な理由かもしれませんが当時としては珍しかったのです。
なぜなら「歴史」という概念がなかったから。
当時の歴史は、神話だったり叙情詩が中心でしたので、事実を後世に残すというのはあまり重要視されていなかったのです。
ヘロドトスが亡くなってから100年後くらいに「歴史」という概念が生まれました。
その当時の出来事を残しておくこと、それが後世に生きる人の役に立つことというのをヘロドトスが生み出してくれたのです。
まさに『歴史の父』。
本書には、調査研究した事実を残すということでヘロドトス自身の実体験や見聞きした事実を淡々と記しています。「これは俺は信じないけど、エジプト人がそう言っていた」という感じで、自分の見解を一旦脇に置いて事実をしっかり伝えてくれているのです。
世界で最古の歴史書と言われている本書、めちゃくちゃ面白いですよ!
『歴史 上』のざっくりとした内容
巻一 クレイオの巻
この章では、リュディア王国というトルコにある国がどうやってできたかというところから始まり、アケメネス朝ペルシアと戦うところまで書かれています。
ペルシアがギリシアを破り、勢力拡大する前哨戦としてこのリュディア王国という国との戦いがエピソードとして書かれているのです。
覚えておいた方がいい人名としてクロイソスという人がいます。
この人は、リュディア王国の最後の王で、ペルシアのキュロス(この人も重要人物なのでこの本を読むなら覚えておきましょう!)という人と戦います。
キュロスは、ペルシアの初代王で、リュディア王国の王のクロイソスと対峙し、勝利することでアジア一帯の支配者となります。
こうしてアケメネス朝ペルシアは勢力を拡大していったのです。
ヘロドトスの『歴史』が、面白いのは、こうした戦いだけが書かれているわけではないのです。
ペルシア人の酒好きは大変なものであるが、ペルシアでは人前で吐いたり、放尿したりすることは許されない。(107pより引用)
こんなことまで書いてあります(笑)
酒飲んで吐くとか現代人とやってること一緒ですね。
巻一の部分は、ペルシアの征服の記録が綴られていてキュロスが亡くなるまでが書かれています。
巻ニ エウテルペの巻
巻ニでは、キュロスの息子であるカンビュセスという人物が中心となります。
難しい人名がたくさん出てきますが、とりあえず本章はカンビュセスだけ覚えておきましょう(笑)
カンビュセスはキュロスの息子なので、もちろんペルシアの王。彼が、エジプトを征服するまでがこの章の中心の話となります。
そしてその敵国のエジプトについてめちゃくちゃ詳しく書かれているのです。
風土や習慣のみならずピラミッドやスフィンクスなどの建造物、そしてミイラの作り方についてまで書かれています。
当時の人が書き残してくれた記録があるってめちゃくちゃ貴重ですよね。
次に私はエジプト自体について詳しく述べたいと思うが、それはこの国には驚嘆すべき事物がきわめて多く、筆舌に絶した建造物が他のいかなる国よりも多数に存するからである。(183pより引用)
この通り、ヘロドトスも大興奮です。笑
(エジプト人は)荷物を運ぶのに男は頭に載せ、女は肩に担う。小便を女は立ってし、男はしゃがんでする。(183pより引用)
ほんとかよ(笑)
こんな風習や民族の特徴など事細かに書かれているのが本章です。
巻三 タレイアの巻
この章では、引き続きカンビュセスの支配が描かれており、後半はカンビュセス死後、ペルシアの王になったダレイオス1世という人が出てきます。
本章ではこのダレイオス1世を覚えておきましょう。
カンビュセスはめちゃくちゃ残虐だったようで、エジプト人にした拷問のような仕打ちなどが描かれています。
また、実の弟を殺したり、暴君の様相を呈していました。
カンビュセスが死んだ後はマゴスというペルシアの司祭階級の人々が実権を握ろうと反乱を起こしましたが、ダレイオス1世含む7人の賢人たちがそれを鎮圧。
そしてくじ引きのようなもので王として選ばれたのがダレイオス1世でした。
ダレイオス1世が王位に就くまでが『歴史 上』の内容です。
人類学としても貴重な一冊
あらすじだけザックリ書きましたが、400ページ近い大作ですので、もっと詳しく知ることができます。
たくさん人名や地名がカタカナで出てきてちんぷんかんぷんになりそうですが、ここに書いた流れを頭に入れて読むと理解がしやすいかと思います。
僕はこの本の1番の見どころと感じてるのは、やはり当時の風習がわかること。
エジプトのミイラ職人のミイラの作り方なんて興奮して読んでました。笑
大昔の人が書いたことなので、かなり信憑性があります。
先ほど抜粋した「女性は立って小便をする」というのは疑わしいですが。笑
こうした風習が事細かに書かれているので人類学の観点からも貴重な一冊。
ヘロドトスは歴史という概念がないなかで「事実」だけを残そうとこの本を書きました。
なので彼は世界で最初の歴史学者、人類学者とも言われています。
そんな2,500年前の旅をしてみてはいかがでしょうか。
また中巻、下巻も読んだらご紹介します!
最後までお読みいただきありがとうございました!
ではまた。
ざす。