ド底辺サラリーマンの夢の叶え方

https://webplatform.github.io/docs/html/elements/head

まだ見ぬ世界と自分に出会えるブログ

心が軽くなる心理学やオススメの本や映画を紹介しています。※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

【書評・要約】脳科学的な美術館の楽しみ方『脳から見るミュージアム』著:中野信子 熊澤弘


Hatena

ども!

読書好きなライフコーチ 兼 ド底辺サラリーマンのけんいちです!

僕は読書が大好きで、年間100冊ほどビジネス書や歴史書中心に読んでいます。

そんな僕がオススメ本を紹介します。

 

「博物館や美術館の楽しみ方がわからない」

「博物館や美術館の歴史を知りたい!」

 

そんな方にオススメできる本を紹介します!

それはコチラ!

 

 

 

脳科学者の中野信子さんと東京藝術大学で准教授として活躍されている熊澤弘さんとの共著。

中野信子さんが実際に、熊澤さんの西洋美術の講義を受講していたり元々親交があったふたりの対談形式の本です。

 

ミュージアム(=博物館、美術館)を脳科学的観点から、必要性と楽しみ方を説明してくれる面白い本です。

美術に疎い僕でも、博物館や美術館に行きたくなりました !

 

 

それではどんな内容か、早速紹介していきます。

 

(約5分で読めます)

こんな人にオススメ!

本

・美術館や博物館の面白さ、楽しみ方がわからない人

・歴史が好きな人

・絵画や美術を専門としている人

 

美術に関して素人にも専門家の人にも良い本だと思います。

これまでのミュージアムの歴史から、現代置かれている状況、そして楽しみ方まで語られています。

 

 

 

この本の要点と僕が伝えたいこと

まとめ

『美=アート』を考えることは目先の役に立たないかもしれないが、3年後、10年後の自分にはとても意味のあることである。脳科学的にも『美』を感じられるのはホモサピエンスである人類だけの特有のもの。美と情報を処理する脳の領域は、先々のことを考える領域と同じ場所にある。

『美=アート』を体感し、考えることは先々のことを考える力を養うことができるのだ。

「美術館はつまらない」という意見も多くある中で、美術の楽しみ方を対談形式でわかりやすく教えてくれる。また、ミュージアムの成り立ちの歴史から、コロナ禍で経営が厳しい現状、そして残していくべき理由などを脳科学的観点と、西洋美術専門家の観点から語られている新たな視点で美術を考える本。

 

 

美術館、博物館に正直僕はあまり通ってませんし、面白さがわからなかったです。

でも、歴史は好きでした。

 

本書を読んでどんな楽しみ方があるかわかりましたし、美術館、博物館の存在意義もわかりました。

 

個人的には、もっと脳科学の観点からの意見や知識がもっとあってもいいのかなと感じましたが(;^ω^)

ミュージアムの存在意義やその歴史、役割などがメインの本でした。

でも、かなり面白くページをめくる手が止まらずあっという間に読み終わりました!

 

 

美=アートは人生にとって必要だ!

西洋美術

歴史をさかのぼると、我々人間=ホモサピエンスが、共存していたネアンデルタール人よりも生き延びて、ネアンデルタール人は絶滅してしまいます。

ホモサピエンスとネアンデルタール人の違いとはなんだったんでしょう。

そのひとつに『美』があるというのです。

 

貝殻が装飾品として見つかったことから、ホモサピエンスは貝を、『食べる』ということだけじゃなく『装飾する』という『美』を象徴するために使用していたということが言えます。

 

ホモ・サピエンスは、「食べられる」という目先の価値ではなく、「美しい」と価値を重視していたことがわかる。「美しい」と価値として採用した集団の方が現在まで生き延びている・・・というのが肝要な点だ。(8pより引用)

 

面白いですね。

何かを見て「美しい」と感じるのは人間特有のものなのです。

しかも、それは先々を考えることと同じ脳の領域が働いているそうです。

 

こうした時間感覚や先のことを考えて自分の行動を抑制したり、損得を比較したり、情報を統合していろんなことを考える脳の領域は大まかに2ヵ所あり、美と情報を処理する領域と重なり合っているのです。(214pより引用)

 

目の前に食料があったらすぐに食べてしまうのが人間以外の動物。

ただ、「今はそこまでお腹空いていないし、明日まで取っておいたほうがいい」と考えられるのが人間(ホモ・サピエンス)です。

 

そうした目先の損得を判断する脳の領域と「美しさ」を感じる脳の領域が重なっているんですね。

 

「美=アート」に触れて感じるということは、人間としての脳の機能を刺激的に活用できることに繋がるのだとわかります。

 

 

 

ミュージアムと脳の共通点

美術品


そもそもミュージアムとは?

「ミュージアム」は日本語訳すると「博物館」。

語源は「ムセイオン」と言われていて、ギリシア神話の文芸を司る女神『ムーサイ(ミューズ)』に由来しているそうです。

 

紀元前の古代エジプトでは「ムセイオン」は作品を保管したり展示したりする場所ではなく教育機関、研究所的な意味合いが強かったとのこと。

今のミュージアムの形になってきたのが15世紀以降のルネサンスから。

 

また、ミュージアムは個人が趣味で集めたものだったり、国が大事だと思ったものを集めたりしたもので、個人や国の想いが表されているそうです。

ミュージアムは国の力というか、その国のキャラクターが明白に見える場所にもなっているわけなんです。(39pより引用)

 

 

ミュージアムと脳の共通点

本書のメインでもある「ミュージアム」と「脳科学」の共通点について。

 

記憶の過程には「記銘」「保持」「想起」という三段階があるんです。

「記銘」は未知のことをインプットする段階です。「保持」はなるべく劣化しないよう保存しておく。(中略)「想起」というのは、取り出して持ってくることです。(47pより引用)

 

 本書でも触れられていますが、博物館や美術館とまったく一緒ですね(笑)

知らないことを知り、劣化しないように保管し、取り出して観てみる。

 

美術館の役割と脳の役割は同じようなものなのです。

 

 

 

美術館、博物館の楽しみ方

博物館

ミュージアムに何かを観にいくと、知らず知らずのうちに自分の中で化学反応が起こることがあります。明日の私は変わらないかもしれない。でも、3年後、10年後の私のために観にいくという、ミュージアムにはそんな楽しみ方がありますね。(141pより引用)


化学反応が起こるということは、自分の中で新たな知識が入ったり、感情が湧き起こったり、もっともっと調べたくなったり、そういう行動に繋がることだと僕は思います。

 

本書で中野さんは「問いを立てながら鑑賞すること」をオススメされています。

 

この作品は誰がどんな思いで作ったんだろう。

作られた時代背景はどんなものなのだろう。

これを観た自分以外の人はどんな風に感じるのかな。

 

などなど、自分なりに問いを立ててみると面白いですね。

美術ってハードルが高いイメージがあります。

「観ても全然よくわからないし....」と感じて敷居が高く美術館に行かない人もいますよね。

 

でも、感じ方は人それぞれなので、あえて前情報なしでフラットに行くのも面白いかも(笑)

脳に刺激がたくさん行きそうですしね(笑)

 

 

 

アートは人を耕す

ゴッホの自画像

ミュージアムに行くと、自覚されるかどうかにかかわらず、人間の中で必ず化学反応が起こる。その明日の自分には変化が現れないかもしれない。けれど、3年後、10年後のあなたは必ず変わる。(12pより引用)

 

中野さんはしきりにこう言います。

 

脳科学的にも、美を感じる脳の領域と先々のことを考える領域が重なり合っていると言われているのは初耳でした。

また、美術品を見ると「なんのために誰がどんな状況で、どんな思いで作ったんだろう」と想像を巡らせるので、想像力も養われますよね。

 

 

本書を読んで美術館に行きたくなりました!! 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

ではまた。

ざす。