ども!
読書好きなライフコーチ 兼 ド底辺サラリーマンのけんいちです!
僕は読書が大好きで、年間100冊ほどビジネス書や歴史書中心に読んでいます。
そんな僕がオススメ本を紹介します。
本記事では、昭和のプロレタリア文学の代表作家 小林多喜二の『蟹工船』をネタバレなしであらすじと見どころを紹介します!
「小林多喜二」「蟹工船」という名前は聞いたことがある人も多いかと思います。
昭和のプロレタリア文学の代表作家です。
プロレタリア文学とは、過酷な労働環境で働く人々の現実をリアルに描いたジャンルです。
1920年〜1930年頃流行りました。
その中でも「蟹工船」は代表作。
読みましたが、かなりえげつないです。。
風呂も入れず、手足もボロボロになるまで働き、資本家に搾取され続け、人とも思われないような扱いをされている様子がリアルに描かれています。
ブラック企業の比ではないですが、
現代だからこそ読む意義もあるかと思いました。
それでは早速、ネタバレなしであらすじと見どころを紹介します!
(約5分で読めます)
『蟹工船』のネタバレなしのあらすじ
「蟹工船」とは、蟹を収穫するために漁に出る船のこと。この船での労働者は他に仕事に就けないような人ばかり。
人を人とも思われないような扱いをされてる過酷な労働環境を描いた作品。
当時の蟹工船は工場でもなく船でもないという定義だったので、工場の法律も船の上での法律も通用せず、働く人は法律では守られなかった。グレーゾーンだからこそ、飯もろくに与えられず長時間働かせられてしまっていた。
労働者が相部屋で何十人も詰め込まれている部屋を「糞壺」と皆、呼んでいた。シラミが湧き、風呂にも入れず悪臭漂う様子がリアルに描かれていて、当時の厳しい環境を知る良い文学作品になっている。
いまの恵まれた環境と比較するとありがたみを感じるキッカケになるかもしれない。
『蟹工船』の見どころ
労働環境の事細かな描写
本作品は、主人公はいません。
第三者目線から描かれています。「男は~」という感じで。
第三者目線で描かれているからこそ、客観的に淡々と過酷な労働環境を語られています。
漁夫の「穴」に、浜なすのような電気がついた。煙草の煙や人いきれで、空気が濁って、臭く、穴全体がそのまま「糞壺」だった。区切られた寝床にゴロゴロしている人間が、蛆虫のようにうごめいて見えた。(本文中より引用)
労働者が押し込められて過ごしている部屋を「糞壺」と表現していることから、その部屋の風景とにおいまで伝わってきそうです・・・
いかに過酷な環境で労働させられているかがわかります。
この船には船長ともうひとり浅川という人物が監督として出てきます。
唯一、名前まで出てくる登場人物です。
この人物は搾取する側の人物。浅川は、自分だけいい部屋で過ごし、毎日風呂に入って、労働者に暴言を浴びせながら働かせているだけ。
このような搾取する側とされる側の光景は、当時どこでも見られたんでしょうね。
「貴様等の一人、二人が何んだ。川崎一ぱい取られてみろ、たまったもんでないんだ」 (本文中から引用)
これは監督の浅川という人物の言葉。
川崎というのは、大きな蟹工船の中に何隻かある小型船のことで、蟹を獲るときに小回り効くこの船で収穫しに行くのです。
人の命より、その船の方が大事だと言い放つ監督の言葉。
虫けら同然のような扱いは今では信じられませんよね。
蟹工船はどれもボロ船だった。労働者が北オホーツクの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいいことだった。(本文中より引用)
蟹工船は、監獄船とも言われてたそうです。
こんな描写が淡々と書かれています。
風景の描写と労働者の心境を描くのがとてもうまいです。
当時の時代背景と小林多喜二という人物
「蟹工船」を読む前に、時代背景と小林多喜二という人物を知っておいた方がいいと思います。
1930年前後に出版されたのですが、当時はこうした批判はアウトなので、
「不敬罪」という罪で小林多喜二は逮捕されてしまいます。
「不敬罪」というのは、簡単に言うと天皇や政府に反する危険分子だとみなされる罪です。
その後、警察から拷問を受けて死んでしまいました。
当時の日本は、搾取する側とされる側が明確で、上の人に刃向かうなんてことはできませんでした。
「蟹工船」に描かれていることが、リアルで、かつ、誰も逃れることのできない状況だったのでしょう。
小林多喜二については、以下の記事にまとめていますので、もしよかったら覗いて見て下さい。
小林多喜二ってどんな人?彼から学べる教訓【自己主張の必要性と大切さ】 - ド底辺サラリーマンの夢の叶え方
『蟹工船』を読んだ人の感想
『蟹工船』を読んだ他の方の感想も載せておきます!
ネタバレなしで選んでいます(^^♪
この歳になって、やっと『蟹工船』を読んだ(以前、挫折した)。ひどい搾取の構造が描かれており、現代でもそれがもっと巧みに繰り返されていることを痛感させられるのだが、比喩表現の斬新さにも驚かされる。不思議な触覚の比喩が、次々に出てくる。
— 吉川宏志 (@aosemi1995) May 17, 2018
たしかに比喩表現も独特。
ぐいぐい引き込まれるような感覚でした。
蟹工船読んだけどまんがで読破シリーズ無かったら即死レベルの文章
— ヴェンス@創の軌跡アプデなう (@fal_tex) August 10, 2018
この作品は古典とまでは言わない昭和の作品なので、僕は読めない事はなかったです。
ただ確かに古い表現とか言い回しがあるので、苦手な人は「まんがで読破シリーズ」で読んでみるのがいいかもしれません。
今日読んでいた本『蟹工船・党生活者』小林多喜二、10代の頃初めて『蟹工船』を読んだ時は、ただ酷過ぎて気持ちが沈んだのを覚えていますが今読むともう少し冷静に読めます。
— 雨音 (@kumorisora_natu) December 25, 2018
小林多喜二のことをいろいろ検索していたら、恋人に宛てて書いた恋文が凄い素敵で感動しました。 pic.twitter.com/V1eTbH4pmN
学校の歴史で習うときに読むのと、社会人になり働いてから読むのとでは感じる事は違うかも知れませんね。
当時の過酷な労働環境を知る材料
当時の状況は、教科書や学校の授業で習うこともありますが、こうして文学作品を読むほうがリアルに知れていいと思います。
教科書は国が決めていることなので、まずい表現とかは修正されるでしょう。
文学作品だと作者が感じたことをそのまま書いてくれるのでありのまま受け取ることができます。
かなり辛くなるような内容ですが、一読の価値はあります。
少し古い言い回しなども出てくるので、活字が苦手な人は、「まんがで読破シリーズ」もリンク貼っておきますのでぜひ。
以下のリンクだと、「党生活者」という作品まで読めます!
最後までお読みいただきありがとうございました!
ではまた。
ざす。